山に行く時は、日常生活で外を歩く時とは装備や必要な物が大きく違ってきます。
一旦「山」に入ると、「街」がどれほど便利に出来ているかを痛感させられます。
道はデコボコが当たり前、手足で登るような岩場があることもあります。
山道にはトイレも街灯も自販機もありません。
場所によっては携帯すら通じません。
イノシシや鹿、蛇やスズメバチが出没することもあります。
道端にはウルシやイラクサも生えています。
どんな山でも一歩踏み込めば、そこは異次元で、街中での常識は通じませんので、
少し頭を切り替える必要があります。
登山の準備を始める前に今まで全く運動してこなかった人や過去に膝関節や
足首の故障経験のある人は、坂道を昇り降りする事で痛みが出ないか確認して下さい。
痛みが出る場合は、登山を始める前に、整形外科医に相談したり、
筋力トレーニングが必要になるかも知れません。
あまり運動をしてこなかった方は筋肉痛になると思いますが、
筋肉痛は登山を重ねて鍛えれば問題ないです。
気をつけるポイントは下りです。
ドタドタと身体に響くような下り方は膝に負担を掛けるので、
足を置いてゆっくり体重を移動させるイメージで下りていって下さい。
膝等の身体に問題がなければ、自然保護や他の登山者に迷惑が掛からないよう、
登山のマナーや暗黙のルールをしっかり身につけておきましょう。
基本的なマナーとルール
・他の登山者とすれ違う時は軽く挨拶をしましょう。
同趣味同士のコミュニケーションです。
自分が無害であることを相手に示したり、遭難対策として自分の存在を相手に
記憶してもらう意味もあります。
・登山道の狭い部分の通過は原則登り優先です。
あくまでも原則で、パーティの人数、年齢、相手の状況などを
考えて臨機応変に対応すれば良いです。
登り優先に拘りすぎる必要はありません。
退避する場合は山側で退避しましょう。
止むを得ず谷側に退避する場合は大きな樹木など
掴まれるもののある場所で退避しましょう。
・登山道以外の場所は歩かないようにしましょう。
言わずもがな、植生保護のためです。
・ゴミはすべて持ち帰りましょう。
自然保護です。これは、当たり前のことですし、
ゴミが落ちているとせっかくの景観が台無しです。
・不要なマーキングは、やめましょう。
スプレーなどは、愚の骨頂です。木に鉈目を入れるのもやめましょう。
樹木の成長を妨げるような針金も使わないようにしましょう。
基本的にマーキング不要だと思いますが、
うしても一時的なマーキングが必要な場合、帰路や後日に回収するか、
回収できないような場合は、せめて生分解テープのような製品を使いましょう。
劣化しやすく、地面に落ちれば、半年ほどで分解されるそうです。
・動植物を持ち帰らないようにしましょう。
特別保護地区に指定されているようなところは、小石1つ持ち帰ることも禁止されているそうです。
・野生動物に餌を与えない
野生ですので、不用意に餌を与えると、思わぬ怪我をすることがあります。
・洗剤を使わない
食器など川や山中に設置された水道で洗うときも洗剤は使わないようにしましょう。
その他の注意点
・他人の情報を鵜呑みにしするのはやめましょう。
道や所要時間を聞いて間違った情報を教えられたり、
近道と教えられた道が難路であることがあります。
・岩場ではしっかり三点支持を守りましょう。
四肢のうち3点は固定し、1点だけ動かす動作を繰り返し昇り下りすることです。
その方が安全性が高いです。
・長話や自慢話は控えましょう。
更に 詳しい内容を知りたい方は「登山入門」等の本を読んで確認しましょう。
最低限の装備(必須装備です、必ず携行して下さい)
登山靴(トレッキングシューズ)、リュック、雨具。
登山に適した服装(綿以外で伸縮性のあるパンツ(ズボン)、インナー、
長袖のシャツ(速乾性のもの)、手袋、帽子)、地図やガイドブック、コンパス。
行動食、非常食、十分な水分。
救急用品、スマートフォンや携帯電話、現金、夏場以外は防寒用に中間着をリュックにもう一枚。
ライターか防水マッチ、ナイフ、ラジオ、予備電池や携帯の予備バッテリー。
ヘッドライト(最初は懐中電灯でも可)
※日没後、行動不能になり救助を要請するケースがあります。
万が一に備え、ヘッドライトは必ず携行しましょう。
非常食やナイフ・ラジオ等緊急用の装備は、遭難以外にも大地震等の災害で
山中に取り残された場合にも 役に立つので携行した方が良いです。
ナイフは飛び出し式で無いビクトリノックス(所謂、十徳ナイフ)のような折りたたみ式のものを利用し、
リュックやベルトにぶら下げたり、ポケットやすぐに取り出せる場所に入れたりはしないで下さい。
必ず非常用品入れのようなものに収納しリュックの底の方に入れて、
見た目に登山と判る服装の時以外は持ち歩かないようにしましょう。
不必要に刃物を所持していた場合軽犯罪法違反になります。
※ストックは身体の負担軽減に便利ですが、ストックに頼っているとストック無しでは歩けなくなります。
登下行時のバランスの取り方や重心移動を習得するために、
初心者向きのコースを歩いている間はストックを持たない方が良いです。
登山用に作られたものは、登山に適した性能を備えています。
高価なものも多いので、すぐに全部揃えるひつようはないですが、
少しずつでも登山用のモノを揃えたほ方が良いです。
※登山靴はもっとも重要な装備です。専門店に出向き、知識のある店員とチョイスした方が良いです。
(登山用の厚手靴下を持参した方が良いです)。
※雨具は登山を続けていくつもりなら、ゴアテックス素材が良いです。
(高山では雨具の性能が生死を分けることもあるそうです。)
※手袋は夏場は滑り止めのついた軍手程度でもOKですが、
冬はしっかり防寒性能のあるものが良いです。